▼ コンソル債
コンソル公債
コンソル公債(consols)とは、イギリスで発行されている永久に一定額の利子(クーポン)が支払われる債券公債のことである。
歴史
1752年、ヘンリー・ペラム首相によって政府の財政問題に対処し債務をまとめる(コンソリデート)ために、最初のコンソル公債が発行された。この時は利子率3.5%だったが、その後1757年に利子率を3%に引き下げ。1888年にジョージ・ゴッシェン財務相が新たに利子率2.5%の新コンソル債を発行し、1923年に既に利子率3%で流通していたものも含めて利子率を2.5%に引き下げた。
利子率と債券価格
この債券は、利子額が固定かつ永久支払であるため、債券価格は簡易に求められる。
債券価格=利子額/利子率 (恒等式)
となる。利子額が100円で利子率が0.05(5%)である場合、債券価格は2,000円となる。逆に、債券価格が10,000円であれば利子率は0.01(1%)となる。また配当の安定した企業の株式はコンソル債に近い性格を持つことから、株価の理論的な価格を求める一つの指標にもなっている。
債券の性格上、利子率が低下すると債券価格は非常に高くなる。このため、一定以上に利子率が下がると値下がりのリスクが高まり債券需要がそれ以上伸びなくなり、貨幣需要が無限に増大する(流動性の罠)。
通常、債権は調達したい金額で発行するので、初めに債権価格が決まる。
次に利子率が、市場価格、与信率、自己都合で恣意的に決まる。
10,000万円を利子率3%で求めるときの利子額は、300万円。
簡単ですね。要は毎年利子率で払い続けるということですか。
国家永続前提(国家側としては最悪潰れても[デフォルトでも]問題ない)、金利の現状維持もしくはデフレが前提。
とはいえ、債権の性格上、インフレになっても発行債券の利率は固定されているでしょうし、
いざ国家破綻が目の前になったら背に腹は代えられないので利率が下がる。
完全売り手優位な気がします。
コンソルと言う名の通り、国家として何らかの目的が明確な時に、発行すると力を発揮しそうな債権ですね。
ただ無暗に発行しても足元を見られそうな感じはあります。
http://ontrack.co.jp/magazine/files/77_fv_pv_4.pdf
http://ontrack.co.jp/magazine/files/78_fv_pv_5.pdf
債券の価値の評価
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